2023年4月に読んだ本メモ

黒いトランク

鮎川哲也『黒いトランク 鬼貫警部事件簿』(光文社文庫)
先月読んだF・W・クロフツ『樽』の次に読むべしとおすすめされていたので読んでみた。荷物に死体を入れて移動させるというシチュエーションが似ており、なんと作中の登場人物が『樽』のトリックとの類似性について言及する場面もあった。
駅で異臭のする荷物があると警察に通報が入るところから物語は始まり、中に死体が入っていることを確認したあとはすぐ事件の捜査に移行する。『樽』では警部が死体を確認するまでの間に樽をあちこち移動する場面が長かったので、対して本作はテンポがよく読み易かった。
トリックは複雑で初見ではよく分からなかったが、巻末の図解のおかげで、再読して理解できた。
なお、作者は『樽』ではなく横溝正史の『蝶々殺人事件』に影響されたとのこと。
記事タイトルは、本作の登場人物、馬場蛮太郎(ばばばんたろう)、膳所善造(ぜぜぜんぞう)から。

その他

  • アガサ・クリスティ『オリエント急行殺人事件』
  • ミハイル・アルツィバーシェフ『笑』(森林太郎・訳)
  • 坂口安吾『不連続殺人事件』
  • 坂口安吾『選挙殺人事件』
  • カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』
  • アーサー・C・クラーク『宇宙への序曲』

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